第247回 創立20周年記念講演会 講師・一坂太郎氏 2017.6.13

  今年4月15日に大内倶楽部は創立20周年を迎えました。今回の例会ではそれを記念して、萩博物館特別学芸員・一坂太郎先生に「福田侠平と高杉晋作」という演題でご講演いただきました。一坂先生と初代会長の柴田先生とは福田侠平の遺髪墓発見の関係で旧知の仲であり、今回のご講演をお願いしたところ、二つ返事でお引き受けいただきました。さすがに高名な一坂先生のご講演ということで、会場は90名の聴講者で溢れかえりました。これは大内倶楽部としては過去にない数で、記念講演会に相応しいものとなりました。 冒頭、会長の私から「大内倶楽部20年の歩み」についてお話致しました。続いて柴田先生による一坂先生のご紹介と続き、いよいよ講演会に入りました。長い調査研究に裏打ちされた自信あふれる一坂先生の切れの良い語り口はさすがでした。   「無給通の次男として生まれた侠平が足軽階級の福田家に入れたのは、むしろ幸運であったこと、35歳にして奇兵隊に入ったからこそ、血気盛んな奇兵隊士の中で兄貴的に頼られ、あれよあれよと言う間に軍監( 実質的にはトップ )まで昇進したこと、そして奇兵隊関係者が好んで使った「狂」とは180度反対の「悠々」という号を侠平は用いたが、その号らしい彼の人となりは、晋作のみならず隊士の絶対的信頼を勝ち得たこと、組織運営には、侠平のようなおおらかで人を包み込む人材も不可欠であること、そして、人には年相応の生き方があり、青春、朱夏、白秋、玄冬に応じた生き方をすべきで、万年青年を標榜する者は信用に値しないこと、来年は明治150年であり、福田侠平のような人物にこそスポットが当てられるべきであること」   と言うような趣旨でお話しされました。講演会終了後、懇親会への準備時間を利用して先生には「サイン会」を行っていただきましたが、ご持参されたご著書は、あっと言う間に見事に完売となりました。そして入江さんから花束贈呈    また、引き続いて行った懇親会にも、これまた過去にない52名もの方々が参加されました。懇親会の冒頭、この度、小惑星20098番に柴田先生のお名前「柴田眼治」と命名されたことをご披露致しました。柴田先生には福島の銘酒に「柴田眼治」とラベルの張られた清酒をご持参いただき、会に花を添えていただきました。今回、侠平から数えて4代目のご子孫である飯塚市在住の福田理氏ご夫妻にも出席いただく予定でしたが、残念ながら、所要のため欠席されました。11月の供養祭には出席いただけるとのことです。  史料を手に質問中の松前副会長  懇親会参加の皆さん 二次会は常盤の「オーロラ」にて。「かんぱぁーい!」   ともあれ、大内倶楽部が地道に息長い活動を続けて来られたのも、柴田先生をはじめ、会員OBの先輩方のお陰だと思っています。我々は、これをさらに次代の20年へと継続してゆかねばなりません。私は今月いっぱいで第10代会長の任期を終えますが、これまでの2年間、皆様方からは本当に熱いご協力、ご支援をいただき、このような例会で締めくくることができました。ありがとうございました。引き続きブログの書き手として仕事は続けますので、よろしくお願い致します。                              ( 第10代大内倶楽部会長 古谷眞之助 記 )

追記 なお、講演会参加者全員に大内倶楽部創立20周年出版事業として発行した小冊子「福田侠平」を配布しました。